MAKE A MEME View Large Image Masabumi Hosono titanic diary.jpg 細野正文の手記 <br><br> 4 14~15(4 14日~15日) <br>  天気快晴 午前七時起床 八時 食 二時昼食 六時夕食 其間読書シタリ運動シタリ或ハ自室ニテ...
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Keywords: Masabumi Hosono titanic diary.jpg 細野正文の手記 <br><br> 4 14~15(4 14日~15日) <br> 天気快晴 午前七時起床 八時 食 二時昼食 六時夕食 其間読書シタリ運動シタリ或ハ自室ニテ平臥ナドシテ日ヲ ル 十時床ニ入リ読書シナガラ稍 ヲ催フシ夢現ノ時船ガ何カニ突キ当リタル心 セルモ別段気ニ止メズ 間モナク船 止ス <br> オカシキト ヒナガラ大事件ノ発生ナルトハ ハズ平気ニ リシニ 十 時頃Stewardガ戸ヲ叩クニヨリ開キ見レバ起キテ甲 ニ行ケト云フ 何事ガ起リシヤト問フモ答ヘズ ライフブイヲ投ゲオキテ ギ去ル 甚 シト直ニ ヲツケシモ ギノ事故白シャツ カラ等ヲツケズ オ大 ギニ衣ヲ付ケテ甲 ニカケ上ガリ見レバ船客右 左 サマヨヒ皆ライフブイヲツケタリ <br> ミテ故ヲ問フモ誰モ知ラズ 甲 ニテ水夫ハ三等デキニ下リヨト云フ 云フガ儘ニ下リシモ多数ノ人ガ下リル様子ナキ故再ビ上ルト咎ム 即二等船客ナル旨ヲ述ベテ許サレ ギ自室ニ帰リテ銭入丈ヲ取リ時計 各国金貨 鏡等ヲ取ルヲ忘レ毛布ヲツカミ大至 ニ 上甲 ニ上ル 中水夫ハ下甲 ニ居レト云ヒシモ聞カザル風ヲシテ上甲 ニ至レバ ートヲ下ロシツツアリ <br> 前ニ多数ノ男女群集ス 是ヲ見シ時ハ大事件ノ発生セシコト疑ナキヲ知リ 生命モ 日ニテ終ルコトト覚悟シ別ニアワテズ 日 人ノ恥ニナルマジキト心掛ケツツ尚機会ヲ待チツツアリ 此間船上ヨリハ危 信号ノ花火ヲ絶エズ上ゲツツアリ 其色 ク其声スゴシ <br> 何トナク凄愴ヲ感ズ 船客ハ流石ニ 人トシテ叫ブモノモナク皆落付キ居レルハ感ズベシ ートニハ婦人 ヲ 先ニ乗ス 其数多キ故右舷ノ ート四隻ハ婦人丈ニテ 員ニ形ナリ 其間男子モ乗ラントアセルモノ多数ナリシモ 船員之ヲ拒ミ短銃ヲ擬ス 此時船ハ四十五度ニ傾キツツアリ <br> 是後 ートモ乗セ終リ既ニ下ルコト数尺 時ニ指揮員人数ヲ数ヘ今二人ト叫ブ其声ト共ニ 男子飛ビ込ム 余ハ 早船ト運命ヲ共ニスルノ外ナク 愛ノ妻子ヲ見ルコトモ出 ザルコトカト覚悟シツツ凄想ノ ヒニ リシニ今 人ノ飛ブヲ見テ責メテ此ノ機ニテモト短銃モ打ルル覚悟ニテ数尺ノ下ナル船ニ飛ビ込ム <br> 幸ナル哉 指揮 他ノ事ニ取紛レ深ク注意ヲ拂ハズ且暗キ故男女ノ様子モ分ラザリシナランカ 飛込ムト共ニ ートハスルスルト下リテ海ニ浮ブ 十数歩ヲ漕ギ出シ船ヲ顧ミレバ多数ノ船客尚甲 ニ徘徊シツツアルヲ見ル ート内ニハ婦人 ノ泣声小児ノ叫声盛ニシテ物悲シ 蓋シ ートニ乗ルマデハ命ノミヲ気ニカケシ故泣ク暇ナカリシナラン <br> 船ハ尚信号ヲ打上ゲツツアリ 三段ノ甲 ハ既ニ水ニ没シ六十度位ノ傾 ヲナスヲ見ル 端乗リシ ートヨリ他ノ ートニ 同移サル 是レ此ク人員ヲツメテ 隻丈ヲ空ケ之ニ人ヲ乗セントテナランモ 仔細ニ様子ヲ見レバ此レ船員等ガ自己ノ仲間ヲ助ケン目的ニテ船客ヲ助ケン為ニハ ザルガ如ク 其証トシテ割合ニ多数ノ船員救助セラレタル様子ナリ <br> 小生等ノ ートニハ男子ハ僅カニ二人ニテ 人ハアルメニア人 人ハ小生ナリ 共ニ漕グ手 ヒヲサセラレ閉口セリ 海ハ幸ニ波高カラズ 天気モ晴 ニテ実ニ幸ナリキ 此時ニ当リ船上ニ ル船客ハ ルベキ道ナキヲ以テ声ヲ上ゲテ救ヲ呼ブ様スサマジク 船ハト見レバ上甲 丈水 ニ表ハレツツアルノミ 実ニスゴキコト云ハン方ナシ <br> 彼是 時近キ頃ト フ時分スサマジキ爆声起ルコト三四回ナルヤト フ間モナク屹然タル大船ハ 常ノ音ヲナシテ全ク其姿ヲ没シ今 目前ニアリト見シモノモ影モナシ 実ニ 為転変ノ世ノ中哉 沈ミシ後ニハ溺死セントシツツアル人 ノ叫声実ニモノスゴク ート内ニハ其夫父等ヲ案ジツツアル婦人 ノ泣ク声亦盛ニテ鳴呼自分モ何ウナルコトカト フ時ハ気モ心モ沈ミシ心 ナリシ <br> 此ヨリ後ハ船内物品ノ多数漂フ中ヲアチコチ徘徊シツツ運命ノ如何ニ定マルカヲ案ジツツ心細キ ヲナスノミナリ 午前三時頃ヨリ波漸クタカクナリ ートノ動揺 シク嘔吐ヲ催スモノ少カラズ 小生ハ幸ニ三四日馴レシ為カ心 サホドニモアラザリキ <br> 四時頃 ノ方白ミ四 見ユルト共ニ種 ノ物品ノ浮ベル様ヨク見ヘ更ニ凄キ心 ヲ催セルガ 此時マデモ叫ベル人声ハ漸ク消ヘテ聞ヘザルハ恐ラク寒気ノ為ニ弱リテ水底ニ沈ミ行キシナラン 之ヲ見テ シテ何時救助セラルニヤアラン 若 日モ此ノ儘ニアルナラバ飢モ ルベク寒気ニモ襲ハレ 之ガ為ニモ命ハ危カラント案ジツツアリシガ 誰云フトナク遠クニ船ハ見ユルト云フモ素ヨリ見ルコト能ハズ <br> 此クシテ漂フコト六時マデニ至リ シテ遠方ニ船ノ煙ヲ吐キツツ ルヲ見ル 偖テハ助カルコトカト ヒ稍安堵ノ ヲナス 七時船全ク遭難 点ニ シ 止ス 是ヨリ漸次 船ニ救ヒ上ゲラル 小生ノ ートハ 後ナリキ 例ニヨリテ婦人 先ニテ小生ハ 後ノ 後ナリキ <br> 全ク 船ニ上リシ時ハ正ニ八時 ココニテホット 息スルト共ニ感 ノ念ムラムラト起リテ涙滂沱タリ 此船ハCarpathiaト云フ14 000屯計リノ船ニテ可ナリ大キク 伊太利ノネープルスニ行キツツアルモノトゾ 後ニテ聞ケバ100哩バカリ離レタル ニテ余等乗船ノ無線 信ニ接シ ギ救援ニ リタルナリ 救助セラレタルハ Carpathiaニテ700人余ナル由ニテ船内充 セリ 七時頃Californiaト称スル船モ リ助ケ漂流セル人70人位ヲ救ヒシトノコト 総船ノ員数約三千人アリト云ヘバ 全ク溺死セルハ二千人余ナルベキカ 不幸中ノ幸ナリシ <br> 今ノ船ハTitanicニ比スル時ハ其屯数モ少ク船室モ狭ク且キタナシ 殊ニ多数ノ人員ナルヲ以テ頗ブル混雑シ小生ガ唯 ノ物品ナル毛布ノ如キ何テニ行キシヤ更ニ行衛知レズ 只 足丈小生ヨリ先ニ上ゲシニ過ギザルニ此ノ如シ 以テ混雑ノ様子モ察スルニ足ル 取敢ヘズコーヒーヲ給セラレ 間モナク 食ヲ与ヘラル 料理劣等ナリ <br> 偖船上ヨリ四方ヲ見ルト 方ハ白ク氷リテ見エ 處 白帆ノ如キ船カト見エルハ例ノ氷山ナリ 此ノ氷山コソ余等ノ乗船ノ沈没セル原因ニシテ 先ニ 突ノ心 セシハ此ノ氷山ニ當リシナリトゾ 此ニテ大穴ガ開キ海水ノ侵入盛ンニシテ 遂ニ二時間ノ後二百万磅ノ大船モ水底ニ沈ムニ至リシナリ <br> 時船動キ始ム 氷山多数ニテ再ビ キ當リハセズヤト心配スルモ臆シタル為ナラン 沖遙カニ鯨ノ汐ヲ吹クヲ見ル 其様中 白シ 二時夕(昼)食稍心モ落付ト共ニ徐ニ取リ忘レタル品ノ シキ心出デ 殊ニ折角苦心シテ残シ置キシ各国ノ金貨其額約70円位ノモノ 餞別ノ時計 及 産ノ時計 新調ノ洋 ーシ シャツ 記念ノ氏名帖ニ友人ノ写 インキ入等甚 シキ心 シテタマラズ 中就留学中ノ筆記モノ 日記ヲ失ヒシハ取返ヘシノツカザル損害ナリ 人ノ欲モ不 議ノモノニテ今迄ハ生命ノ安危ニノミ心ヲ取ラレ居リシ故左マデニ ハザリシモ 今ハ生命モ 先安全ノ見込ミ付クト共ニ品物ヲ ム心 セルナリ <br> 午後六時夕食 船ハ西ニ向ツテ走リツツアリ 是レ多数救助 ヲ 先届ケル為メ船ハ態 紐育ニ引返スナリト云フ ガタキ次第ナリ ハ伊太利マデ行カネバナラヌコトカト ヒシニ是亦天佑ナルベシ 日暮ル 素ヨリ 室ハ例ノ婦人ニ先取セラルコト故小生等ノ室ノアルベキ理ナクSmoking roomニ船ノ毛布二枚ニテ衣タママ ヲ穿イテ リタルナリ 不 議ニモ悪夢ニモ犯サレザシリ <br> 16(4 16日) <br> 午前六時目覚ム 八時 食 食事ススマズ 常ノ ニテ船ハ三分間位毎ニ気筒ヲ鳴シテ前 ヲ警戒シツツ 行セリ 何トナク危ブナキ心 ス 午後ヨリ風大ニ起リ波高ク船ノ動揺盛ニシテ心 悪ルシ 食事ハ三度共食セシモ料理モマズク 且船暈・気疲等モアツテ更ニ食欲ヲ発セズ <br> 此ノ日失ヒタル毛布ヲ発見セラレ大ニ安堵セリ 此マデ自ラモ其トナクサガシ歩キ且事務 ニモ 知置キ 人ノStewardニハ賞ヲカケテ頼ミ置キシニ 其男ノ知ラセニテ行キ見レバ紛失品多数カケアル中ニ余ノ毛布モアリシナリ 即チ 礼トシテ2S 6dヲ与フ <br> 此ノ ハSmoking Room占領セル場 ヲ他ノ横 人ニ横領セラレタル為別室ノ食堂ニ行キ布ノクシヨンヲ床上ニ敷キ其ノ上ニ毛布ヲ延ベ自己ノ毛布ヲカケツツ ル 勿衣タル儘ナリ 兎ニ角ニモ苦シキ旅行ナリ <br> 17(4 17日) <br> 中劇シキ雷鳴ヲ聞クコト数回 メハ何事カト人 ト共ニ飛ビ起キタル位ナリ 午前六時起床 風雨大 ナリ 船汽筒ヲ鳴ラスコト前日ノ如シ 前日ハ午後二至リ 晴レシモ 日ハ終日濃 ナリ 但雨丈ハ 時止ミタリ寒シ <br> 十五日ニ見タル氷海ハ十六日以後ハ見ヘズ 午後十時前日ト同ジ様子ニテ ル 當然ノ航海ナラバ 日ハ紐育ニ シタル筈ナルモ不運ノコトナリシ 船は 十八日 の予定ナリシモ噺ニヨレバ十 日ノ スルナラントノコト <br> 此ノ日遭難 ノ点呼・身元書キ取リノコトアリ ノ標 ヲモラウ 午後十時昨日ノ如ク食堂ニテ ラントセシニ婦人ノミトノコトニテ男子ヲ許サズ 不得巳喫煙室ニ リ見レバ 員ニテ迚モ ル ナシ 即椅子ニ掛ケタママ半 中ニ ヲ明カス 実ニツラキ航海ナリシ <br> 18(4 18日) <br> ・後雨・寒シ ニテ四 模糊タリ 午前五時既ニ半 中ヨリ覚メ起キ出デテ甲 上ノ腰掛ノ上ニ ル モ ラレズ 即起キ出ヅ ヲ洗ヒ甲 上ヲ運動ス 喫煙室ニテハ衆人ノ為ニカラカワレ実ニ閉口ヘリ 六デモナキ水夫 中ノ事故何ヲ云フモ馬 風ニ聞キ流セリ <br> 八時 食 食後鬚ヲソル 志ナリ 寸 ル 十二時昼食 食後ハナスコトモナク暮ス 屈此ノ上ナシ 喫煙室ニテ稍自己ノ身ノ上ヲ話シ彼等bull dogヲシテ少シハ敬意ヲ拂ハシムル様ニ至レリ 十五日ヨリ此ノ日マデ費ス 六志半ナリ 其前ニ船中ニテ費セシハ六志計リナリキ http //nationalgeographic jp/nng/article/20120323/303232/index9 shtml 1912 細野正文 PD-Japan Titanic passengers
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